ベトナムの民話:ヒキガエルは天の神様前半~勇気が湧くお話~

これから、何回かにわたってベトナムの民話 ヒキガエルは天の神様を私(大好きベトナム、ベトナム語)が翻訳したものを載せていきます😊。

今年は元旦から北陸で大きな地震があるなど不安な世の中です。

この物語から先の見えない不安に打ち勝つ勇気をもらって、ベトナムの人たちの考え方に触れて、交流に役立ててみてください。

ベトナムの民話:ヒキガエルは天の神様前半

ベトナムの民話:ヒキガエルは天の神様


1 大干ばつ

昔々、世の中に人がいない時代、植物、鳥、いろんな獣達だけがいました。

草木が青々と茂り、鳥が飛び、カエルがぴょんぴょん跳び、動物たちがそれぞれの群れで胸を張っていると、天の神様は前例のない干ばつを起こしました。

その干ばつは幾月も幾月も続きました。

 空中に見えるのは、めらめらと燃える赤い炭ののような太陽がいつも見えるだけです。

地面は昼も夜も燃えさかっていました。

池も川もすぐ干上がっています。

青々とした草木がすっかり燃えてしまいました。飛んでいた 鳥が急に地面に落ち、 跳びはねていたカエルは急に池の中で干からびて死んでいます。

胸を張っていた、いろんな群れの獣動物が 森や山の中で横たわっています

ヒキガエルは穴の中に座っていて、口を大きく開け、喉はまるで火傷のように熱くにかれていました。ヒキガエルは 草木も鳥も動物も死が近いとわかっていました。

ヒキガエルの一族ももう長く生き残れないでしょう。 穴の外を見ると、どこまでも広大で、真っ赤な空だけが見えます。

ヒキガエルは突き出た両目を大きく開け、天空を睨みつけ大きな口を噛み締めてました。

ヒキガエルは天の神に本当に怒っていました。 ヒキガエルは、自分が小さいことをただ残念がり、もし大きかったら、 ヒキガエルは怒りを鎮めるためにすぐに天空を丸ごと飲み込んでやる!

ヒキガエルはため息をつきながら考えました、「天空を飲み込めないなら、天上に上って天は何で雨を降らさないか尋ねよう。怖いことなんかあるものか!」

ヒキガエルは再び突き出た目を大きく開け、天上への道を見つめ、測りました。

ヒキガエルは道がどんなに高く、長いかわかっていました!

ヒキガエルは舌を出して引っこめると、ヒキガエルは口をきっと結び、目を閉じ、ヒキガエルはしゃがんで、一人考えました。

2ヒキガエルの決心

不意にヒキガエルは歯ぎしりすると、話し合うためにまだ生き残っているカエル一族を呼びました。

カエル達はひどく泣き、顔つきや肌は青白くなっています。

ヒキガエルは2つの手を顔の前につき、ごつごつした背中をかがめて、突き出た大きな目を開き、大きな口を開け、言いました。

「天の神になぜ雨を降らせないかという罰を与えるのか尋ねなければならない、神様に雨を降らせるよう頼んで、もし降らせてくれなかったら幾日もしないうちに死んでしまうだろう」

 カエル達は青ざめながら、叫んで

「だれがこれまで天に上ることができたんだ!向こう見ずなことを言うな、神様はそいつを死なせてしまうよ!」

「ここに座っていても、どうせ死ぬんだ。それでも天上に上って神様に尋ねれば運がよければ生きられる。従ってくれる者は、私が連れて行く。罰は私が甘んじて受けよう」

ほかのカエルたちに反対されながらも決心を翻さないヒキガエル。ほかのカエル達はさてどうするでしょうか。

3ヒキガエルの出発

カエルたちはヒキガエルに連れてって行ってもらえるよう頼みました。

ヒキガエルが天の神に訴えるという噂は至る所に広がりました。

ヒキガエルの一族、カエルたちの女子供も、生き残った者は皆、大勢集まって。ヒキガエルにぴょんぴょん食べ跳んでついて行きました。

空は灼熱の暑さです。ヒキガエルは一つの葉っぱを旗にして先頭に立ちました。 ヒキガエルの肌は水ぶくれも、ゴツゴツしたのも増しています。カエルたちは痛い痛いと叫び、手のひらや足の裏は火ぶくれになりました。

道の途中、つらなって横たわっている者がいれば、隠れ家にとんで入り込むものもいました。

ヒキガエルは振り返って言いました。「上れ、天の扉は近い」

ヒキガエルは葉っぱの旗を高くかかげ、先頭に立ちました。ヒキガエルの肌はますますゴツゴツします。 ヒキガエルの口はますます広がります。ヒキガエルの目はますます飛び出ます。

カエルたちは。ヒキガエルに大騒ぎして、飛び跳ねながらついて行きます。

道には焼けた草しか見えず。鳥の死体、動物たちの死体が散乱しています。 砂ほこりが飛び散り、火のように熱いのです。

ヒキガエルは焦げ臭く、息が詰まる塵の中、旗を振りかざし、 てんでばらばらに飛び跳ねているカエルたちをなおも率いていきます。 

小さなヒキガエルが困難に負けず、小さな葉を掲げて進む姿に、私は勇気をもらえます。

4 金の鶏

ある日、ヒキガエルは葉が残らず落ちてしまった竹やぶを横切りました。

一羽の金の鳥が日差しを避け、茂みの中にひっそり横たわっています。

疲れ切って死が近いようです。 ヒキガエルたちが通りかかると、鶏を非常に驚かせました。 鶏はボソボソと尋ねました。 

「ヒキガエルよ、ヒキガエル。こんな焼けるように日差しが強いのに、ヒキガエルはそんなに騒がしくどこに行くのか」 

ヒキガエルは突き出た目を大きく開け、広い口を開け、旗を掲げて 鶏に向かって振り、言いました。 

「天は大干ばつを引き起こした。ヒキガエルは昇って天に訴える。天はなぜ雨を降らせないのかとたずねる。」

横になっていた金の鶏は急に立ち上がりました。

鶏は尋ねました。「天は高い。どうして行けようか」 

ヒキガエルは言いました。

「天は高くとも、進み続ければ必ず至る」

鶏は再び尋ねました。「ヒキガエルは小さく、天は大きい。どうして天に言うことができようか? 」

ヒキガエルは言いました。天は小さいものに干ばつを起こした。私は大いなるものに雨を降らせるよう頼む。言ったならば、天は聞かざるを得ない。天に大勢で上れば天は聞くことを承知するだろう。 

「ヒキガエル一族以外の者も。行くことはできるか?」 

「多ければ多いほうが良い。」 

「ヒキガエルのように腹が座ってない者はどうすればいいか? 」

「鶏にはくちばしがあるではないか」

「鶏も共に行かせてほしい」

このように鶏も仲間に入って共に行きました。

カエル達は喜んで飛び跳ねました。

鶏は金色の羽を羽ばたかせ、首を伸ばして時を作りました。

ヒキガエルは旗を持ち、飛ぶように進み、先頭に立ちました。

道はどこも塵が立ち込め、息が詰まります。

5蜜蜂との出会い

ある日ヒキガエルはひっそりとした焼けた森を横切りました。木々はひどく焼け、焦げ臭いがしています。

まだ生き残っていたミツバチの群れが花の蜜を吸う花を見つけられず、ぶんぶんと悲痛な声で泣き叫んでいます。

通り過ぎるヒキガエルの一団は、ミツバチの群れの泣き声をぴたりと静めさせました。

ミツバチはブンブン尋ねました。

「ヒキガエルよ、ヒキガエル。こんなに焼けるように日差しが強いのに、ヒキガエルはそんなに騒がしくどこに行くのか」 「鶏まで付いて行っているではないか」

ヒキガエルは突き出た目を大きく開け、広い口を開け、旗を掲げながら ミツバチに向かって振って言いました。

「天は大干ばつを引き起こした。ヒキガエルは昇って天に訴える。天はなぜ雨を降らせないのかとたずねる。」

ミツバチの群れは再び集まって、ヒキガエルに近寄りました。

ミツバチは尋ねました。

「天は高い。どうして行けようか」 

ヒキガエルは言いました。

「天は高くとも、進み続ければ必ず至る」

ミツバチは再び尋ねました。

「ヒキガエルは小さく、天は大きい。どうして天に言うことができようか? 」

ヒキガエルは言いました。

「天は小さいものに干ばつを起こした。私は大いなるものに。雨を降らせるように頼む。言ったならば天は聞かなければならない。天に大勢で上れば天は聞くことを承知するだろう。

「ヒキガエル一族以外の者も、行くことはできるか?」

「多ければ多いほうが良い。鶏も共に行っているではないか」

「ヒキガエルのような根性はない者はどうすればいいか? 」

「ミツバチには針があるではないか」

「ミツバチも共に付いて行かせてほしい」

決して見た目が華やかではないヒキガエルが、信念を負けず進んで行く姿に励まされますね!

6トラやヒグマとの出会い

ある日ヒキガエルは暑さの為に石が溶け出している高い山を通りかかりました。

一行は急に立ち止まりました。

それは道に横たわっている虎とヒグマを見つけたからです。

ヒキガエルはなおも旗を掲げ、進んで行きます。

横たわってうめいている虎とヒグマは、暑さの為に食べ物を探しに這うこともできず、間もなく死んでしまうでしょう。

ヒキガエルが通るのを見ると、うなり、つぶっていた目を半ば開きました。

虎とヒグマは共に尋ねました。

「ヒキガエルよ、ヒキガエル。こんなに焼けるように日差しが強いのに、ヒキガエルはそんなに騒がしくどこに行くのか」

ヒキガエルは突き出た目を大きく開け、広い口を開け、旗を掲げながら 虎とヒグマに向かって振って言いました。

「天は大干ばつを引き起こした。ヒキガエルは昇って天に訴える。天はなぜ雨を降らせないのかとたずねる。」

虎とヒグマは急に後ろ足で立ち上がりました。

カエル達、鶏、ミツバチは恐ろしさに慌てふためきました。

ヒキガエルは「天に雨を降らせてほしい者はヒキガエルに付いて来なければならない。全ての者は何者も恐れることはない」

虎とヒグマは共に尋ねました。

「天は高い。どうして行けようか」 

ヒキガエルは言いました。

「天は高くとも、進み続ければ必ず至る」

虎とヒグマは共に再び尋ねました。

「ヒキガエルは小さく、天は大きい。どのように天に言うことができようか? 」

ヒキガエルは言いました。

「天は小さいものに干ばつを起こした。私は大いなるものに。雨を降らせるように頼む。言ったならば天は聞かなければならない。天に大勢で上れば天は聞くことを承知するだろう。」

「ヒキガエル一族以外の者も、行くことはできるか?」

「多ければ多いほうが良い。」

「ヒキガエルは小さいがヒキガエルは腹が座っている。一団のみんなは活気があるが、皆天に上ろうとしているのか」

ヒキガエルは旗を高くはためかせ、真っ赤に輝く天に上るだけだ、そして振り向き、2頭に尋ねました。

ヒキガエルが大きなあごで歯を食いしばると、天地は揺れ動くようでした。

虎とヒグマはヒキガエルの威厳に満ちた姿を見ると、それ以上ヒキガエルを馬鹿にすることはありませんでした。

ヒキガエルは再び話し「大勢で行って初めて天は耳を傾けることを承知するだろう。そうでなければ、死んでしまう」

虎とヒグマは傲慢な口調を改め

「私はヒキガエルをずいぶん馬鹿にしていた。今や私は知った。ヒキガエルは小さいが根性は大きい。ヒキガエルは弱いが、鶏もミツバチも従っている。ヒキガエルは天を見つめようとしているが、私は見ようとしていない。ヒキガエルよ、私も従わせてほしい!しかし、ヒキガエルの根性がないがどうすればよいか?」

「ヒグマはよじ登る力があり、虎は、力があるではないか」

「私もヒキガエルに従わせてほしい」

とうとう、ヒキガエルの何倍も大きい猛獣までもヒキガエルに従うことになりました。

「天を見ようとしていない」という虎やヒグマの言葉は、耳が痛いですね😅

次回ベトナムの民話:ヒキガエルは天の神様後半ではついにヒキガエル達が天に昇っていきます。お楽しみに

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