ベトナムの心がわかる!民話「バーベー湖のお話Sự tích hồ Ba Bể」~老婆が告げた危機とは?~

これからベトナムに移住や留学を検討中の方はいらっしゃいませんか?

ベトナムに3年間住んで、ベトナムもベトナムの人々も私は大好きになりました。

しかし、長く住むと国民性の違いに驚かされることもありました。

(若者でも)教訓的にいう人が多く、いつも「小さいときから聞いてきたお話の影響だなあ」と思っていました。

その国民性や言葉の裏側に、ベトナムで広く売られている民話などが関係していると思います。

そこで、大好きベトナム語(私)がベトナムの民話バーベー湖のお話を翻訳してご紹介します。

ベトナム語を理解の助けに、ベトナム語の意味も載せています。

このお話は単なる教訓的なお話にとどまらず、日本とベトナムの文化の共通点や、台風などの洪水の被害を受けやすいベトナムの事情が垣間見え、興味深い作品です。

このお話を読めば、ベトナムに移住したり、留学や仕事したりするときの助けになると思いますので、ぜひ読んでみて下さい。

民話「バーベー湖のお話 Sự tích hồ Ba Bể」

・乞食の老婆が村に現れる

昔々、バックカン省のナムマウ村の人々が仏陀を崇拝するお祭りを開いたことがありました。

みんなお祭りを見に行くのが楽しみでした。

突然、どこから来たのか乞食が現れました。

彼女は恐ろしく見え、老婆の体はやせ衰え、ただれ、嫌な臭いが漂い、本当に不快でした。

老婆はほんの二言三言、「おなかがとてもすいています、旦那様!奥様! 、それから老婆は手をいろんな方に伸ばして施しを懇願しました。

しかし、どこに行っても老婆は追い払われました。

祭禮から足をひきずりながら出て来て、

老婆はどこの家に行っても冷たくあしらわれました。

・親子が乞食の老婆を助ける

冷たくあしらわれる乞食の老婆を、親子が助けます

運良く、分かれ道に行くと老婆は市場に行って来たばかりの親子に会いました。

可哀そうな乞食の老婆を見て、母親は

気の毒に思って家に連れて行き、ご飯を食べさせて、一晩休むように勧めました。

真夜中に、親子は突然、老婆が横たわっている場所が光り輝いているのを見ました。

しかし不思議なことに、病気で弱って、ただれた乞食の老婆はもうおらず、巨大な竜が頭を梁に乗せてとぐろを巻き、尻尾が地面から突き出ていました。

老婆が寝ていたはずなのに、竜がいました

未亡人の母と子はぎょっとして力が抜け、目を閉じてじっと横になり、運命に身を任せました。

翌朝起きてみると、竜は影も形もありませんでした。

・乞食の老婆が親子に危機を告げる

寝床には病弱な乞食の老婆がまだいました。

老婆は出立の準備をしていました

     (外出前に)身支度を整える

おばあさんが親子に灰の入った袋を手渡します

老婆は「この辺りにまもなく洪水が起こります。私はあなた達に家のすぐ周りに撒く灰の包みをあげましょう。そうすれば(洪水から)逃れることができます」

母親はこれを聞いて驚き、尋ねました:

「おばあさま、どうやって人々か溺れて死んでしまうのを救うのでしょうか?」

老婆は一瞬考えた後、一粒のもみを拾い、それを噛んで割り、親子にもみ殻を手渡し、「この二つの籾殻はあなたの家の親子の良い行いを助けるでしょう」と告げました。

いい終わると、たちまち老婆は見えなくなってしまいました。

親子が村人に洪水が起こることを知らせる

親子は急いで言いつけに従って、何人かの近所の人に知らせました。

母と子が村人に洪水が近いことをを知らせる

彼らは皆そんな本当かどうかわからないと笑いました。

その夜、お祭りはにぎやかで、みんなひざまずいて礼拝していました。突然、水の柱が地面から噴き出て、刻一刻と強くなっていきました。

周りの土がだんだん崩れていきます。

その時、人々は皆余りの恐ろしさに先を争って走って逃げました。

洪水で皆沈んでしまいました

しかし、もう間に合いませんでした。

彼らの足下の地面が強く揺れます

ど~んという激しい音がすると、家や人や物が皆水中深く沈んでしまいました。

全てが水浸しになる中、やもめの親子の小さな家はまだ水が来ていませんでした。

それは親子の家の土地がどんどん高くなっていったからです。

思った以上に洪水が破壊した光景を前に心を痛め、親子は2つの籾殻を持ち出しました。

親子が洪水から村人を助ける

 水に入れるだけで、殻は2つの大きな舟に変わりました。風雨にもかかわらず、彼らは至る所に舟を漕いで行き、懸命に溺れた人をすくい上げました。

沈んでしまった所こそ、バーベー湖です。

親子の家のあった所は湖の中の岩になりました。

この地の人々はその場所をやもめ、または

未亡人の島とも呼びます。

まとめ

民話「バーベー湖のお話 Sự tích hồ Ba Bể」はこれで終わりです。

ベトナムの人々が小さいときから慣れ親しんだお話の一端に触れて、ベトナムでの暮らしや仕事がもっと楽しくなりますように!

他にも3つのお話の翻訳をしています。

その中の一つ、ベトナムらしい明るさに満ちた、民話「百節の竹」はこちらから

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